【FX手法】取引方法解説(後編)|リピート注文の設定方法をまとめておく

この記事は前・後編2回に分けての記事になりますので、前編をご覧になっていない方は、まずこちらをお読みください。
【FX手法】取引方法解説(前編)|為替相場の特徴・戦略をまとめておく
今回は、FXの取引方法についての記事を前・後編に分けて書きたいと思います。まずは為替相場の分析をもとに、ドル円相場の今後の展望を解説します。そして、実際に私が行っている具体的な取引方法をお伝えします。...
今回の後編の記事では、私が実際に行ってるFXの具体的な注文方法を解説していきます。
通貨ペアの選定・売買戦略
前編で説明したとおり、現在のドル円レートでは売りの戦略になるため、スワップポイントの支払いが発生してしまいます。長期間ポジションを保有することが前提のリピート注文では、その影響は少なくありません。スワップポイントの支払いが発生する売買方向での注文は、避けたほうが良いでしょう。
そこで代わりに、カナダドル円での取引を検討してみます。カナダはアメリカとの経済的な結びつきが強く(輸出の約70%がアメリカ向け)、為替の変動要因である政策金利もアメリカに倣った動きをします。そのため対円では、ドルと類似した動きを取るからです。
ここでカナダドル円のチャートを確認してみましょう。円高の流れからレンジ相場に移っており、ドル円とほぼ同じ動きをしています。

ではドル円と同様の方法で、カナダドル円の具体的な戦略を考えます。MT4の月足チャートを使って、過去20年間の最高値(125円)、最安値(68円)、中心値(97円)に水平線を引きました。
現在(2021/11)のカナダドル円のレートは91円付近で、中心値よりも下の買いゾーンに位置しています。スワップポイントも受け取り側で問題ないため、カナダドル円の通貨ペアならリピート注文による運用が可能です。
リピート注文の設定方法
おさらいになりますが、リピート注文とは一定の間隔にイフダン注文を並べておいて、決済されたら同じレートに再びイフダン注文をリピートする方法です。

リピート注文を行う際、決める必要があるのは次の3点になります。
- 新規注文の値幅
- 決済注文の値幅
- 一注文あたりの通貨(ロット)数
仮に、新規注文の値幅···1円、決済注文の値幅···1円、一注文あたりの通貨数···1000通貨で設定するとします。買いゾーンの範囲に注文を入れるので、下図のとおり28本のイフダン注文(緑のライン)が並ぶことになります。

この設定ではレートが買いゾーンの範囲にいる限り、1回決済されるごとに1000円の利益が発生していきます。また、レートが中心値97円を上抜けたらポジションがなくなり取引終了、下限の68円を下回ればロスカットとなります。
リピート注文は一気に大きな利益を上げることはできませんので、ロスカットにならないよう相場に生き残ることを第一に考える必要があります。逆に生き残ってさえいれば、小さな利益がどんどん積みあがっていくのです。
したがって注文の設定は「いくら儲けるか」よりも、ロスカットレートまで証拠金が耐えられる設定を優先すべきでしょう。
資金管理表を作成してリスクの「見える化」をする
リピート注文は多くのポジションを保有することになるので、事前にエクセルで資金管理表を作成して、リスクの「見える化」をしておくことが大切です。先ほど例に出した注文設定で資金管理表を作ると次のとおりです。
買いゾーンで69円から96円までの間に28本の新規注文を設定した場合、最大必要証拠金(E2セル)が92,400円、最大含み損失額(F2セル)が406,000円になることが分かります。ロスカットレートまで耐えるには、この二つの合計金額が必要になりますから、必要入金額(G2セル)は498,400円です。
資金管理をせずにあいまいに行っていると、ついロットや注文数を増やしてしまい、不意にロスカットになる恐れがあります。想定していたレンジを超えてのロスカットは致し方ないですが、不注意によるロスカットは絶対に避けるべきです。
資金管理表を利用してみたい方は計算式を下に載せておきますので、参考にして作ってみてください。新規注文レート、ロスカットレート、通貨枚数を自身の設定の数値に変更して利用すればOKです。※必要証拠金はレバレッジ25倍で計算。
私の注文設定
いままでの説明でリピート注文の理屈は分かったと思います。取引の手段としては、通常のFX口座を利用して手動で設定を行う方法と、FX会社が提供している自動売買のシステムを使う方法の2種類があります。
自動売買によるリピート注文は、FX会社ごとに仕様が異なっていますので、良く調べて自分に合ったものを選ぶ必要があります。また、スプレッドが広かったり、手数料が掛かるケースが多いので、そのあたりの確認も必要です。
私は手動設定も自動売買も両方行っていて、利用しているFX会社は次の2社になります。
- 手動設定···SBI FXトレード
- 自動売買···トレーダーズ証券(みんなのシストレ)
注文設定は表のとおりです。
FX会社 | 通貨ペア | 新規注文値幅 | 決済注文値幅 | 通貨数 |
---|---|---|---|---|
SBI FXトレード (手動設定) |
カナダドル円 | 20pips | 70pips | 1500通貨 |
トレーダーズ証券 (自動売買) |
カナダドル円 | 30pips | 50pips | 1000通貨 |
SBI FXトレードは、今後利益を増やしていくために、証拠金の追加投入と合わせて変更する予定です。現在はこの設定に落ち着いています。
トレーダーズ証券は「みんなのシストレ」口座で提供されている自動売買で、新規注文と決済注文の値幅は固定になっており、ロットだけ変更可能です。(過去の実績から導いた最善の値幅をあらかじめ設定しているとのこと)
リピート注文は値幅の設定が一番難しいですね。通貨のボラティリティは一定ではないので、正解はないのかもしれません。
まとめ
最後に、私がリピート注文FXを開始した2020年3月から2021年10月現在までの成績を載せておきます。縦棒が累計金額、折れ線が含み損益になります。

注目してもらいたいのは、月単位だと累計利益を含み損が上回ったことがないことです。つまり、どの月で決済しても利益が残せていたということです(週単位や一日単位ですと、マイナスになっていた時があります)。このような推移の結果から、リピート注文の長期戦略であれば生き残れる確率は高いと考えています。
世間では危険な投機と思われているFXが、はたして投資になりえるでしょうか。壮大な実験をこれからも続けていこうと思います。進捗は毎月の月間成績で報告していきます。
以上、取引方法について2回に分けて解説を行いました。この記事が参考になれば幸いです。
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